落雁へのこだわり

享保3年(1718年)刊「古今名物御前菓子秘伝抄」に落雁の製法が載っています。
ウルチ米の粉を煎り、砂糖とまぜてこねあわせたものを木型で押し固めて作ります。
この菓子のルーツは不明ですが、遠くはローマ時代のウエハースがシルクロードを渡り、
日本海を渡り今の形になったと言われています。

西鶴や近松の作品にもしばしば登場しておりますので、元禄の頃には人気のある
菓子であったことは推測できます。そのころの物は白地に黒ごまを配したものが多く、
それを瀟湘(しょうそう)八景の平沙落雁や近江八景の堅田落雁に見たてて「落雁」の
名になったとも、あるいは「軟楽甘(なんらくかん)」という中国伝来の菓子を略して
「らくかん」と呼び、「落雁」になったとも言われます。

明和年間(1764~71年)は簡単な木型を用いましたが、寛政年間(1789~1800年)
には彫師が腕を競う豪華な木型が出現し、文化文政年間(1804~29年)には
精巧さと華麗さの面では頂点に達します。将軍家大奥の女中に好まれ、食べやすい
ようにごく薄く作られました。

古くから日本人に好まれたこの菓子を現代に伝え、昔ながらの製法と技を守り続けて
おります。少し古くささの感じる菓子ではございますが、いにしえ人の営みを偲びながら
ご賞味いただければと思います。

創業嘉永二年 落雁 諸江屋
石川県金沢市野町3丁目1の38
電話:076-241-2854  FAX:076-247-1849