松風焼・最中の月・小落雁

十三代加賀藩主前田斉泰公正室の偕殿(かいどの・溶姫)が、約一年半の金沢城
滞在の後、古里である江戸に出立したのは元治元年(1864)10月24日である。
先立つ同19年、金沢城二ノ丸御殿の竹之御間においてお別れの宴が催された。

「加越能文庫」にあるのが宴の献立帳によれば、昼の引菜膳(ひきなぜん・二汁五菜)
には、斉泰公や側室の娘初姫(はつひめ)と洽姫(あいひめ)他70人が相伴し、
後菓子は「養老糖(有平糖)」「長生殿」「唐いちご」であった。そして、15人が相伴した
夜食の膳(一汁三菜)の干菓子が、この「松風焼」「最中の月」「小落雁」の3種である。

「松風焼」は日本古来の焼き菓子である。小麦粉に味噌と少々の飴を混ぜ、鉄板で
焼いて芥子の実を振りかける。焼色の付いた表に対して、裏が白っぽいことから、
うら寂しい風情に掛けて「松風」の名が付いた。また、「最中の月」は、丸い餅せんべいの
表裏に和三盆糖の蜜を塗った菓子で、まん丸の月を表している。

いったんは江戸に戻った偕殿だが、いかなる事情か、慶応四年(1868)3月に再び
金沢に帰国し、同 5月1日に逝去された。法名は「景徳院舜惟喬大禅定尼
(けいとくいんしゅんきょうだいぜんていに)」。生涯、時代の大きなうねりに翻弄され続けた
斉泰公だが、その御正室もまた波乱の人生を歩んだのだった。

北國新聞 出版局 月刊「アクタス」より

【加賀ゆかりの菓子について】

この菓子は、加賀の菓子文化の歴史を再現するため特別に作られました。
そのため販売は一切しておりませんのでご了承くださいませ。

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百万石ゆかりの菓子 — @ 2008年3月26日 5:13 PM

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