唐覆盆子~からいちご~
十四代加賀藩主前田慶寧公の年間献立帳にはしばしば菓子が登場する。
よほど甘い物がお好きだったのだろう。その明治五年(1872)三月十八日の
献立に、惣菓子として『花形落雁』『せんべい』と共に『唐覆盆子』が記されている。
水気の多い餅を寒ざらしにした『氷餅』をすりおろし、そこに白あん入りの紅色の
餅を転がした菓子で、南天の葉を敷き山苺(やまいちご)に擬してある。
十二代藩主斉広公娘の寿々姫が天保五年(1834)十一月に本多政和に
輿入れされた際の献立帳にも後菓子(のちのかし)として登場しているし、
金澤城二ノ丸御殿大膳所蔵の『御菓子製造控』にも記載されている。
北國新聞 出版局 月刊「アクタス」より
【加賀ゆかりの菓子について】
この菓子は、加賀の菓子文化の歴史を再現するため特別に作られました。
そのため販売は一切しておりませんのでご了承くださいませ。記・加賀百萬石 【加賀ゆかりの菓子】
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定価10,000円(消費税込み)