浅茅飴・葛巻せんべい

浅茅とは丈の短い茅(ちがや)のことで、今では目にすることが少なくなったが、
かつては秋のもの寂しい風情を表す植物として馴染み深いものだった。
『浅茅が末』『浅茅が原』『浅茅が露』など、古い和歌にはしばしば登場する。
白胡麻を使った料理や菓子にも『浅茅』の名が付いている『浅茅焼』は魚を
味醂醤油に浸し串に刺して、煎った白胡麻をかけて焼いた料理であり、
『浅茅和え』は茹でたほうれん草や春菊をしろ護摩で合えたものだ。
『浅茅飴』は四角い求肥生地の周りにしろ胡麻をまぶし、浅茅が原に見立てた
菓子である。元々、京都で創案され、全国に広まったと伝えられるが、いかにも
都らしいセンスの良さが光る。弾力のある求肥生地との相性も良く、かみ締める
ほどに香ばしさが口に広がる。『求肥飴』『求肥餅』『浅茅餅』とも称す。
一方、『葛巻せんべい』は、『浅茅飴』と併せて杉折に納め、公儀への献上や
進物に使っていた。五代藩主綱紀公の献上物帳や、十一代藩主治脩(はるなが)公の
御進物帳にその記録がある。
北國新聞 出版局 月刊「アクタス」より
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